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いとなみ!
今日,ハミングライフという映画を見ました.
僕の好きな小説家の中村航さんという方の原作の映画で,1つの木をきっかけに生まれた小さなつながりのお話です.ほっこりする系の,邦画が好きな方は見てもいいかもしれません.もちろん,原作の小説の方がしっくりきますが.

で,その映画を見てて,すごく懐かしいものを思い出したのですよ.
僕が高校2年生の時に書いた,しっかりと書き終えた初めての小説を.それは,1つの公衆電話をきっかけに生まれた小さな繋がりのお話で...ハミングライフとすんごい似てたんですね!! ぐうぜん!
 こんな風に,自分の好きな小説家と同じような感性で物語を作っていたなんて,嬉しいです!!
 ということで,昔のデータをひっぱり出してきて,改めて見て,一通り悶絶したのち,現在の自分の作風に修正を加えてみました.
 昔の自分は主人公の一人称が「俺」だったり,また地の文で主人公の独白があったり,いろいろ恥ずかしいところがいっぱいありました.その辺を少し直しながら,昔の自分の若さを残しつつ作品としました.
 恥ずかしくて,読むことがしんどくなるやもしれませんがよければどうぞ...





誰にも使われていない公衆電話がある。
僕が通っている学校と家とのちょうど真ん中あたり、交差点の角の公園入口にある公衆電話。
 毎日のように朝と夜の登校下校の時に前を通るけれども,誰かが使っているところなんて見たことがない。
少し古びた公衆電話.
誰の声も聞けない公衆電話.
 緑色の当たり前の公衆電話。
 
短篇『公衆電話+少女』

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【2012/04/15 17:51】 | 短編小説 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
夢はきっと観覧車に乗って.
 3月も気がつけば一週間が過ぎ,ふとしたさりげない瞬間に別れだったり,終わりの香りがして切ない季節ですね.
 僕も配属先が岡山に決まり,住む場所も決まり,ちゃくちゃくと社会へと出る準備が整いつつあります.心の準備は皆無ですが.

 1月の末,そつろん真っ盛りの際に参加した,自分自身さん主催の『第2回(目に突入した)短編小説書いてみよう会』ですが,期間が終わり,ひと段落したみたいですね.初めて,ネット上のこのような企画に参加しましたが,非常に様々なジャンルが混在し,独特な世界観や,面白いアイデアで勝負している方などがいらっしゃって凄く楽しかったです.
 この場を借りて,自分自身さん本当にありがとうございました.また,何かあれば関わらせていただきたいと思います. 
 そして,なんと12名もの方からのコメントをいただいてしまいました.こんな僕の作品がそれだけの人間の目に触れて,飲みこまれていっただなんて考えると非常に幸せです.他にも多くの方が読んでくださっているでしょうし,そういった僕の作品に少しでも時間を割いてくれた人がいると言うことを忘れずに行きたいと思います.
 読んでくださった皆様,ありがとうございました.
 コメントの返事をしていなかった方々の分,ここで返していこうと思います.
 その前に,少しだけあとがきを.

 この作品「さようなら,お別れ,じゃ」は前にも書きましたが,テーマとして,恋の終わり,歩き出す瞬間.的なものを読み取ってくれるとうれしいな,という思いを込めてます.
 the pillowsの曲が私は大好きでして,そのバンドの曲から印象を受けて書いた作品になってます.目覚ましがなってから,主人公がにゅいーんと,矯正するように立ち上がって行く様子,そこからの夢のような出来事.これが夢なのか,真なのかは僕にもあんまりわかっていないので皆さんの考えるままで,解釈してください.
 もう少し,具体的にあとがきを書きたかったのですが,蛇足になりそうなので自重します.というか書こうと思っていたことがひと月もたつときちんと思い出せなくて書けませんでした(汗

 では,以下コメント返事を...


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【2012/03/10 15:46】 | 短編小説 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
さようなら,お別れ,じゃ.
 第2回短編小説書いて見よう会投稿作品 テーマ『幽霊』


 題名『さようなら、お別れ。じゃ』




 彼を思って泣くのは、今日で最後にする。
 だから、最後に、今日だけはたくさん泣く。
 温もりが足りないひんやりとしたシーツ。
 使う人のいない、へこんだ枕。
 そんなあなたの残り香に包まれて、つらつらと、私は涙を流す。
 枯れるまで、泣いて。
 すごく疲れきって。
 そのまま深く、やんわりとした眠りにつく。

 そして、また私は次の朝、自分の泣き声で、目を覚ます。






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【2012/02/02 00:32】 | 短編小説 | トラックバック(0) | コメント(12) | page top↑
せいじゃく! ※そつろん番外編2
 時計の針は深夜の三時を回っていた.研究室には僕だけが残っていて,要旨の添削に追われてパソコンと向き合っている.さっきまで先輩も明日締め切りの先生からの託があったようだが,それを終えたようでいつもより少し元気のない声であいさつを残し帰って行った.静かな研究室.いつもは自分の他に誰かが必ずいる空間に一人と言うのは少し不思議な気分だ.そして,解放感がある.エアコンから温められた風が吹き出す音が聞こえる,水槽の水が流れる小さな音,自分のキーボードを叩く音,時折する咳払い.たったそれだけの音がこの世界を包んでいた.
 ふと,手を休めて周りを眺めてみる.
 暖められて乾燥した空気が少し気になり,僕は椅子から立ち上がり外に向かう.大きく背伸びをしながら,僕は非常階段へと出た.煙草を咥え,先端を小さな火で燻らせる.紫煙が上り,僕は浅く息を吸い,吐きだす.寒さによって息が白くなるのか,それは煙草の煙で白いのかどちらかわからなくなる.冬に煙草を吸うのが僕は好きだった.
 ああ、星が綺麗だ。
 非常階段の手すりにもたれかかり,空を見る
 僕にはオリオン座くらいしか見分けはつかないけれども、いつだって僕らの頭上には恐ろしく膨大な宇宙と、無限が広がっている。
「入り口と、出口」
 僕は小さく呟く。そして、煙草の煙を吸い,吐きだす。
 それは、始まりと終わり。上と下。生と死。牛肉と焼肉。1人の時間と宇宙。
 手足を伸ばして、宇宙を見上げる。ちっぽけな僕には宇宙を見上げることしかできない。
 遠い。
 星々は今も爆発を続け、誕生と破滅を繰り返している。宇宙は無限に膨張を続ける。
 想像して、背筋がゾッとする。
 今も地球上で、死んでいく生命は星になって、宇宙へと飛んでいく。
 宇宙はその巨大な数を受け止めるために、今も膨張を続ける。
 生命は、宇宙へ。僕もいつか宇宙へ行くんだ.煙草を吸うことはもしかしたら,その近道になるのかもしれない.そう考えて少し愉快な気分になる.向かいの研究棟に点る明りはまばらで,胸の奥がうずうずしてきた僕はひゃっほう,と叫びたくなる.
 その湧き出てきた思いと一緒に煙草を揉み消す.ひゃっほう,と叫ぶには僕は先輩が必要なんだ.  
 灰皿にその煙草を投げ入れ,もう一度宇宙を見上げる.息をはくと白く染まった.一度身震いをして,自分にしか聞こえない声で呟く.
「ひゃっほー」
 その小さな空気の振動は白い息が空気に溶けるように消えると同じで,この世界に溶けて消えていく.研究室に戻った僕は椅子に座り,自分の書いた要旨を眺める,そしてその出来栄えに嫌気がさして少しの間膝を抱えてまるまる.

 パソコンを操作してBGMを流す.こんな夜は陽気な曲がいい,名曲よりもポップで新鮮なやつにしよう.若者らしく勢いでぶつかるようなロックンロール.
「静寂とロックンロール」
 それは入り口と出口.始まりと終わり.上と下.1人の時間とみずこうの時間.
 さあ,早く寝よう.今日を終わらせよう.静かな研究室に先輩が足りない.
 僕は席を離れ,先輩の机に向かう.開封済みのチョコレート菓子を見つけたわけだが,さて,これをどうしようか.
【2012/01/27 04:07】 | 短編小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
東京の夜は寒い.
「寂しくなったとき、いつでも連絡していいから」

 そう言い残して彼女は僕の隣からいなくなった。
いつもなら少し温かくて、狭くも感じていたこの部屋が少し冷たくて、広く感じる。
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【2012/01/12 01:40】 | 短編小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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