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ひるどき! ※そつろん4
 可愛いは正義である.
 これははるか昔,キリストかブッダだったか,孔子の教えにあったか,もしかしたらよくわからんオタクの発言であるかもしれない.とにかく素晴らしく正論であり,全員を納得させる完璧な格言である.
 可愛いは正義である.
授業の実験でミスをするのだってそうだ.可愛いクラスメートがやったのならば,そのやっちゃった,という焦りを孕んだ笑顔を見たとたんに許してしまう.てへっ,なんて効果音が聞こえてきそうなくらいだ.しかし,それをやったのが可愛いとは申し訳ないが,最善を尽くしたとしても言えそうにないクラスメートならば話は変わってくる.どれだけ可愛いを連想させるポーズや,愛想笑いをふるまったって無駄無駄無駄ッである.もしそのミスによって帰宅時間を左右されるのだったとしたら,尚更である.ここぞとばかりのため息を漏らし,適度なプレッシャーを与え責任を感じさせる必要がある.もう二度とミスをしないと心に誓わせてやらなければならない.
そのてへっ,なんて効果音が似合う仕草はお前がやっても意味ないんだよ.というかむしろ僕たちの心を逆なでしてるよ.
可愛い,と可愛くない.同じことをやったとしても,このように恐ろしいくらいに差が出る.そして,このガイア生誕以来,不動の理念にのっかっているものが「萌えアニメ」だと思う.
僕自身,そういった類のアニメが好きなわけでは決してないが.それらのアニメをふと見るたびに,感嘆の声をあげてしまいそうになる.なんという可愛いは正義,と.
ただ単に,女子高生がちょっと楽器を弾いて,お菓子を食べているだけでいいのだ.なぜって,可愛いから.可愛いから,わざとらしいキャラも,ただの日常も素晴らしく輝きだし,至極の作品と化す.なんとも簡単な世の中なものだ.
 きっかけは何か,なんてこの先輩には必要ない.順序や前振りなんて行儀のいいものは通用しない,恐ろしく口が緩いに違いない.思ったことを何も考えずに口に出してしまう.
「こむぎこ,って響きとかよくないか?」
 昼休みの時間になった僕たちは購買へ向かい総菜やパンをそれぞれ買い込み,研究室に戻ってきて食事を摂っていた.そんな時に不意に先輩がそう言った.
「四文字のタイトルで,可愛ければいいんだろ? 多田」
 突然話を振られた多田が口に含んだリンゴジュースを吹きそうになる.そこでマンガみたいに噴出さないところが多田のクオリティだなー,と僕は思う.
「なんで,僕なんですか,というかなんですかいきなり」
 本当にいきなりだった,熊本県人だったら団子にして食っていたに違いないくらいに,脈絡もなんにもないパーフェクトないきなりだった.
「なあ,萌えアニメって売れてるだろ? いや,お前詳しそうだし,な? 宇崎」
「そうですねー,多田は好きですよ.そういうアニメ」
 好き勝手に自分の話題を始めた先輩につっこみをいれようか迷ったが,今は食事に集中したかったので僕は適当に合わせておき,最近のお気に入りであるベーコンフランスを食いちぎる.
「ま,まあ.そうですよ.ゆる○り,らき○すたなんか有名ですしね」
 なんだか,伏せ字が役に立ってない気がしたが,気にせずに僕は食いちぎる作業に専念する.
「ということで,こむぎこ! なんてどう?」 
「なんですか,それ」
食べることに集中していようかと思ったが,僕は半ば呆れつつ先輩のどうでもいい談議につきあう.食事中くらい身のない話をしたって構わない.卒論に追われているといえども,それくらいの時間は僕たちにだって用意されている.
「こむぎこ! はだな,小麦粉のこむぎ娘を中心とした粉たちの日常を描いた人間ドラマだ」
「もう,小麦粉の時点で人間ドラマにはなりえないですよね」
「……でな,こむぎ娘のクラスメートは,しらたま娘で,いいとこのお嬢様ってやつなのよ」
「クラスメートって,小麦粉のくせに学校に通ってるんですね」
「やっぱり後輩もいるよな,後輩は片宮梨子」
「一気に普通の女の子みたいな名前にしてきましたね」
 湯水のようにあふれてくる先輩の適当な何の後先もない発言.それ一つ一つにジャブを撃っていく.そろそろストレートをばっちり決めて,今日の昼休みは終わりにしよう.そう,思って僕は先輩の次の発言を待った.
「主人公,クラスメート,後輩ときたらあとは何が足りない?」
 一般的なアニメを形成するキャラ設定を考えると後足りないのはなにがあるだろう.
「幼馴染とかどうですか?」
 そう思考を巡らせていると多田が控えめに発言した.さすが,その手に通じているだけはある.
「そう,こむぎ娘ちゃんの幼馴染」
 先輩はもう無駄な自信に充ち溢れていた.これで最後だ.どんな落ちがまっているのだろうか.僕はほとんど期待なんかしちゃいないが,最後まで聞いてあげよう.
「うどんこ」
 ああ,そういう感じね.ゆるい.
「うどんこ,ですか?」
「そう,うどんこ,たまにこむぎこちゃん,うんこって呼んじゃうの.間違えて」
「う○んこですもんね,そうですね……」



なんか,切れが悪い.まあ,そんな感じでもいいさ.ゆるければ.
せーの「そつろん」
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【2012/01/17 03:18】 | そつろん! | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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