スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
しんせいかつ!
 ごぶさたしております.おかざきこです.
 このブログのタイトル,「そつろん! なんて四文字萌えアニメがあれば,僕はもっと頑張れる」 ですが,これはこの前の1月くらいに卒論にリアルで追われていた僕が,その現実逃避でやってみようというコンセプトの元うまれたものです.
 しかし,それから早数ヶ月以上が経過し,そつろん! なんてものは程遠い,社会人になってしまいました.
 タイトルはあれですが,とりあえずインパクトと個人的に響きが気に入っているためしばらくこのままでいこうと思います.
 本日,やっと部屋にネットが開通し,このようにブログも自由に触れるようになったので,ちょくちょく仕事の合間に,記事を書いていこうと思います.
 学生時代に比べると,圧倒的に創作にかける時間は少なくなるし,本を読んで吸収する時間も削られていきます.年をとればとるほどに,縛りが増え,選択肢が減少していきます.その中でも,少しでも自分のやりたいことを継続できるように頑張っていきたいと思っています.
 とりあえず,久々に記事を書かないと思って書いてみました.

 ここから下は,卒業年の最後の文芸部誌に載せたやつなので既出作品ですが,今の僕にとって凄く来る作品なので.のせてみました.
 







 今が未来だった頃のことを思う。

 あの頃の俺たちは、自分たちが世界の中心だった.
 世界で1番面白いやつと、世界で1番足の速いやつと、世界で1番強いやつと、世界で1番可愛いやつと、いろんな世界で1番の人間の集まりだと疑うことなく毎日を過ごしていた気がする。
 
今が未来だった頃のことを思う。

 あの頃の俺たちは、自分たちが世界の中心だった.
 世界で1番面白いやつと、世界で1番足の速いやつと、世界で1番強いやつと、世界で1番可愛いやつと、いろんな世界で1番の人間の集まりだと疑うことなく毎日を過ごしていた気がする。
 廊下に張り出されたテストの結果に群がり、体育のスポーツテストで上位をとればヒーローになれる。背が高ければ席順は後ろになり、体重が重ければブーというあだ名がついた。そんな風に、人の表面に出ている浅はかな個性が最も面白がられ、大切にされていたのだ。
 俺はそこそこ足が速く、皆よりも頭が良かった。だからクラスでの立ち位置は上の中.俺のする話に皆が納得し、尊敬の眼差しを向けてきた。
 宇宙は今も膨張している。
 星は一つ一つが太陽。
 ゴリラの学名はゴリラ・ゴリラ。
 クジラは哺乳類。
 ピカソには超長い本名がある。
 少しの不思議な話,皆の知らない知識それらがあれば、俺は皆からの注目を浴びることが出来た。
 気になっていた隣の席の彼女に「すごいね!」と言われるだけで世界一の幸せを感じて、明日ももっと凄い話をしてやるぞ、と意気込む。でも、口から出る言葉は「こんなことも、知らねぇのかよ、バカ女」なんて素直じゃない言葉だった.正直になれよ,と今なら思うけど、年頃の男子には仕方のないことなのだろう。

 誰かが、将来は博士になるんだろう、と言った。
 
 俺もそれを疑うことなく、鵜呑みにして、世界をあっと驚かす発見をする博士になるぜ、なんて声を大にして言っていた気がする。
 世界で一番面白いあいつは、お笑い芸人に。
 世界で一番足の速いあいつは、マラソンランナー。
 世界で一番可愛いあの娘は、グラビアアイドル。
 体重の重いあいつは、相撲取り。
 世界で一番強いあいつは、格闘家で世界チャンピオン。

 俺たちの世界は、狭かった。
 どこにも敵はないと,疑うこともない。信じているのは自分たちだけ。
 あの頃の俺たちは迷うことなく、恥ずかしい将来を語り、それを信じていた。
 世界を変えるような人間になって、世界を驚かせる発明をして、お金持ちになって、気になる彼女と結婚するという未来予想図が俺の浅はかな頭にでかでかと描かれていたのだ。今となっては、それがどこに描かれていたのかわからない。分かろうともしていない。

 階段を登る足音がする。
 今日の晩御飯は何だろうか。
 いつものように、扉を四回叩く音がする。夕飯の合図だ。かすかに、肉じゃがのような煮物の香りが漂ってくる。いい香りだ。
 扉の下にお盆をおく音。
 そしてその後、控えめに扉を再び叩く音がした。
「ねぇ? あの、少しでいいから部屋から出――」
「黙れよ!」
 静かにしておけばいいのに。せっかくの夕飯の気分が台無しだ。
「ご、ごめんなさい」
 俺の一声だけで、怯えたようにそそくさと部屋の前から去って行く足音。最初からそうしていればいいんだ。
 ゆっくり二十秒を数えてから、素早く扉を開けて置かれている夕飯を回収する。香り通り、肉じゃがだった。添えられていた手紙は部屋の外に放っておく。何度も何度も同じような手紙を書きやがって.

 俺は忙しいんだ。
 
 すぐにパソコンの前に戻り、夕飯を頬張りながらマウスを動かす。
 俺の理想を映し出したキャラクターが、村を襲っていたモンスターを倒す。
 報酬としてお金を貰い、パーティでそれを山分けし、新しい武具を揃え、新しいミッションへと向かう。
『次はどんな人助けに行こうか?』
 パソコンの画面にパーティからのメッセージが映し出された。俺たちは最強のパーティだ.誰にも負けない.どこにだって行ける.カネも名誉もなんだって手に入る.簡単な世界だ.俺は慣れた手つきでそれにキーボードを叩き返事を書く.

 今が未来だった頃のことを思う.
 あの頃の俺は自分たちが世界の中心だと勘違いしている,期待とか希望とか、きらきら輝いたものに裏切られることを知らない、可哀想な人間だった。
 もしも、タイムマシンやら何かであの頃の自分に会うことが出来るなら、教えてあげたいくらいだ。
『今の俺たちには、救えないものなんてないっしょ』

 なあ、知っているか?
 俺には世界は変えられない。
スポンサーサイト
【2012/04/14 23:35】 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<いとなみ! | ホーム | いちばん! >>
コメント
No title
前半の件で、懐かしく、悲しい気持ちが襲ってきて、涙腺が緩くな、後半の件で、憐れみの成分を充分に含んだ涙が一滴だけ零れ落ちました。
【2012/04/15 00:05】 URL | あき #-[ 編集] | page top↑
No title
>あきさん
 憐みの成分ですね(笑)
 でも,前半のような単純な日々が懐かしですよね.
【2012/04/15 09:48】 URL | 岡ざきこ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://kimihazakiko.blog.fc2.com/tb.php/27-1de01e5d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。