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はじまり! ※そつろん2
 スタイリッシュという言葉は,本当にスタイリッシュだと思う.その言葉のリズムのスタイリッシュさはキムタクよりも,真っ赤なポルシェよりもスタイリッシュだ.わけがわからなくなってきたけど,つまりはリッシュのあたりなんかがシュッとしていて,スタイ!! という感じがかっこよさを演出している素晴らしくパーフェクトな構成と語感によって構成されている言葉,それがスタイリッシュだ. 
 そんなどうでもいいことを考えながら,先月買いたてのノートパソコンを起動させた僕はブラウザを立ち上げ,メールチェックを行う.朝,研究室に来たらまず一番にすることである.
香川先輩はしぶしぶと服を着て(その時着た服が女子高生の制服だったのでそこでもつっこみを一度はさみ,ふつうの服を着ていただいた)炬燵を片付けると,しばしの平穏を研究室にもたらせてくれているようでパソコンに向かって静かになった.
 朝研究室に来る→つっこみ→メールチェック→昨日のアニメの確認→水槽のメダカへのえさやり→今日の予定の確認,という決まった順番で僕はやるべきことを流して終わらせていく.まだ新しい僕のパソコンは最新モデルであり学校指定のダサい機種とは違い,凄く軽くて薄い画面という素晴らしい機能性を発揮している.まさにスタイリッシュなパソコンなのだ.昔使っていたやつがそろそろガタが出始め,卒論が本格的になり始めてから故障されるのは恐ろしいことこの上なかったため新しくしたのである.
 今日は特に急ぎの連絡も来ておらず,実験もやる予定はないので平均以上に平和ななんとなく過ごす一日となるだろう.僕は薄くて,でも明るくきれいなディスプレイを閉じノートパソコンをたたむ.今の技術ではここまで薄いパソコンが出来るのか.
 にしても前に使っていたパソコンに比べると,今のパソコンは動作性が違う.OSも新しくなっているし,なによりもスタイリッシュだ,もう説明が面倒になってきたスタイリッシュにもほどがある.
 僕は椅子から立ち上がり,何ならそのまま椅子の上に立ち,先輩の方へ振りむく.
「僕のパソコン返してくださいよ! なんですかこのスタイリッシュなパソコンは」
 そして僕はノートパソコンを掲げる.印刷紙と段ボールで出来たディスプレイに『ヘイ,そこのスタイリッシュボーイ☆』と書いてあるパソコンを.本体には先輩画伯によるスタイリッシュボーイが描かれていた.これ,モデルは僕なのだろうか? にしてもアゴが鋭利に描かれすぎだよ.
「どうしたんだい? スタイリッシュボーイ」
「やかましいわ!」
 香川先輩は笑いをこらえる気なんて毛頭ないらしくケタケタと笑っている.さっきから妙に静かだったのは僕の新しいパソコンをいじっていたからなのだろう,なるほど納得がいったよ.
「にしても宇崎,そのパソコンめちゃくちゃスタイリッシュだな」
「でしょ? なんならあげますよ.先輩の方が僕よりもスタイリッシュボーイですからね」
「いや,やっぱスタイリッシュと言ったらお前だよ,そのパソコンに書いてある絵とかお前にそっくりじゃないか?」
「いいえ,わたしの方がスタイリッシュよ」
 突然立ち上がる原咲.スタイリッシュな効果音が聞こえたような気がした.
「な,なら,僕の方こそスタイリッシュにふさわしい」
 少し悩みながら多田がきちんと椅子を引いて立ちあがる.そして,ゆっくりとスタイリッシュなポーズをとった.スタイリッシュなポーズを.
「まぁ,スタイリッシュなパソコンを持っている僕が一番スタイリッシュですけどね」
 僕も負けじと,考えられないくらいにスタイリッシュなポーズを決める.上空に掲げるのは素晴らしく軽いスタイリッシュなパソコン.
「ふふふ,四天王的に考えればわたしが最強のスタイリッシュだ!」
 そして本命,香川先輩がそのメガネをスタイリッシュに上げながらそう怪しげに叫ぶ.周りには白い鳩が羽ばたき,いつの間にか先輩のシャツははだけている.それはもう,スタイリッシュ過ぎて失明する観衆が現れるレベルにまで到達していた.
「そう,我らが」
 先輩が続けて叫ぶ.多田が若干死んだ目をしているのがわかった.安心しろ,多田,もう終るからな.だから,最後はかっこよく決めよう.今日一番のスタイリッシュさと,熱いハートを込めるんだ.
そうだ,我らがスターダム,インクレディブル,リアル,集団
「「スタイリッシュだぜ!」」
 
 
 少しの間があって,原咲が座り,多田も静かに腰を下ろした.
 僕は手作り感の否めないパソコンを先輩に向けて放り投げる.
「おお,すまん.なかなかこのパソコン使いやすいな」
 そして香川先輩が僕のパソコンを渡してきた.とりあえず,メールチェックをしよう.そして今日の予定を立てよう.
 席に戻り,今度こそ自分のパソコンを立ち上げる.しばらくして,ついたディスプレイのデスクトップには「ヘイ,スタイリッシュボーイ☆」という文字とともに,さっきよりもアゴの鋭利さを増したスタイリッシュボーイが描かれていた.

 誰かに理解されなくても,僕たちはこれで楽しんでいる.明日は何をしよう,次はなにをしよう考える楽しさを僕たちは20歳を過ぎても,忘れちゃいないんだ.

それでは皆さんせーの『そつろん!』
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【2012/01/12 01:41】 | そつろん! | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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