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あしふみ。
僕は時折、自分を見つける。
駅の改札で、会社の窓から見える街並みに、すごい速さで進む新幹線から見える風景の中に、自分の姿を見つける。
同じ服を着た自分。同じ眼鏡をかけた自分。同じ歩き方をしている。そして、きっと同じ声をあげて笑っている。
昨日も、駅のホームで自分を見かけた。
あれはきっと、左利きの僕だ。あの時のあの選択で、右を選んだ彼の姿。彼は僕の知らない色のスーツを着ていた。僕と同じスマートフォンを触って、じっと来る電車を待っていた。
僕は誰なんだろう。あそこで電車を待っているのが僕だとしたら、いまの僕は誰なのだろう。どっちの僕が、正しいのだろう。
そんな僕の湿ったティッシュペーパーみたいな疑問は、ホームに進入してきたオレンジ色の電車の騒音によってかき消されてひらひらと飛んで行ってしまう。瞬間、あふれ出た人の波にのまれて消える。
疑問を感じた方が偽物なのだ。


僕は時折、自分を否定する。
恋人の涙の、一人でお酒を飲んだ後の溜息の、すごい速さで変わっていく街並みと人の成長のせいで、自分を否定する。
気が付けば春になっていた。桜も散り、知らないうちに僕は、知らない人たちと笑うことができるようになっていた。3月の僕はどこに行ったのだろう。焦ってポケットを探してみても、入っていたのはガムの包装紙と、英会話スクールの広告だけだ。あの頃の僕は、きっと彼女の中にしかいない。
水槽の中で居心地が悪くなって、息苦しくなってももう遅い。僕は広く深い大海原で餌を探し出す度胸もなくて、こうして水槽で降ってくる餌をつつくことしかできないんだ。僕には大海原を泳ぐシュッとした腹ビレももっていない。巨大タコと戦う毒針ももっていないし、人魚姫を魅了する鋭い眼光ももっていない。
波に逆らうことが怖いのだ。

少し世界が傾いている気がする。
僕が偽物だから、この世界に適応していないからこうなるのか。
もしかしたら右斜めに傾いて生活をすれば僕は僕でいられるのかもしれない。常に分度器をもった生活。

ずっと足ふみをしている気がする。
僕の知らないうちに、僕の知る彼らは前に進んでしまう。みんな東京へ行ってしまう。
僕は普通だ。信じられないくらいに普通だ。
特別に憧れ、平凡を否定して、自分の可能性を捨てきれずにいる。大海原を泳ぐシュッとした腹ビレも巨大タコと戦う毒針も、人魚姫を魅了する鋭い眼光ももっていないくせに、いまだに空を飛べる気がしている。空は飛べなくとも、肺呼吸はできるような気がしてる。
東京にあこがれ、オシャレな靴を履いて、舗装されていない土の道を歩く。星を見分ける目はもっている。空は飛べないし、肺呼吸もまだ覚えていないけど、少しだけの間、息を止めて海辺を歩いている。ずっと足ふみをしている。
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【2015/04/22 23:51】 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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